令和6年能登半島地震への対応について ―文化遺産防災マップを活用して被害状況の推定をしています。
令和6年1月1日に、能登半島を中心に大きな地震が発生しました。
発災から3日が経過し、甚大な被害状況が明らかとなり、被災地では今まさに懸命の救助活動、復旧作業が続いています。
被災地の皆様に一日も早く救援の手が届きますよう、心よりお祈り申し上げます。
今回の地震発生をうけて、私たちの災害科学国際研究所でも、被災地の救援のため、様々な活動をはじめました。
現在、私の研究室では、災害時に様々な文化遺産を守るための活動として、文化遺産防災マップを活用して被災地の文化遺産に対する被害状況の推定をおこなっています。
これは、各地の歴史資料や史跡といった様々な文化遺産の位置情報を、様々な災害情報と重ね合わせて、その被害状況を推定するものです。
まだ被害の全貌は明らかではありませんが、石川県内では国と県が指定している文化財だけでも
震度5強の範囲に含まれるのが300件近く存在する計算になりました。
一方で、こうした文化遺産の被災情報については、破壊や盗難の危険性があり、現段階では詳細な情報を発信できないのが現状です。
詳細については、災害科学国際研究所の緊急報告会でお話する予定ですので、本研究所のホームページをチェックしていただければと思います。
現段階では被災された皆様が一刻も早く安定した生活を取り戻すことが最優先です。
いずれ被災地が復旧、さらに復興へ向かうとき、地域に伝来した様々な文化遺産は、地域再生の道しるべになるはずです。
今はその日が一日も早く訪れることを祈りながら、現在の作業を進めているところです。